信州こどもホスピス・ミーティング
〜 病児の教育支援について 〜
2021年2月22日
下記の課題について打合せ
①病児の教育支援⇒高校生が対象となる制度
と小中学生が対象となる制度 がある
②病児のきょうだい支援
③病児の在宅医療支援
ひとつひとつの課題がかなりのボリュームになるので今後3回に分けてレポートします。息子さんの闘病、在宅看護を経験したプロジェクト代表の白鳥信博さん自身、初めて教育支援を知ったそうです。
制度化された情報をより良く噛み砕き、より良い方法で家族へ提案する「コーディネーター」がどの位置に立ち、どのような流れとタイミングでお話しを繋ぐ流れを明確にするのが、とても肝心です。
「教育支援」知るのと知らないでは、その後の家族の人生に大きく道が分かれてきます。既に在る、制度が宝の持ち腐れにならない様に、しっかりと生かしていくことが課題であること。
縦割りの制度だけでは限界があるため、有志や学生による学習支援を実践できる仕組みづくりと継続的に成り立たせるための経済的な基盤と流れを考えていくのも「笑顔の花」にできるテーマだと気づかせていただきました。
以下は県で定められている制度と、それに基づき、白鳥さんがまとめられた文章をシェアさせていただきます。
①病児への教育支援
高校生が対象:
長野県教育委員会 学びの改革支援課より
「県立高校における長期入院生徒への学習支援事業」について
●現状と課題
令和元年度、県立高校に在籍する長期入院
(20日以上)生徒の実態調査実施
⇒学習支援のニーズのあった生徒は18名。
その内2名に支援を試行
○令和元年に試験的運用が開始されたばかりで現在、実績が見えてこない。
○20日以上の長期入院生徒が対象という事は、20日以内で一旦退院しその後自宅で療養しながら通院治療を行う生徒には支援対象外となるのではないか?
○県立高校以外(私立高校)の生徒に適用されるのか?
○コーディネーターが学校・本人・保護者等との調整を行うことになっているが、コーディネーターがどこに所属しているのか?普段はどこにいるのか?どの時点で調整を行うのか?をしっかり決めないと、コーディネーターの存在すら見えてこなくなり、制度として機能しなくなるのではないか?
○教員・非常勤講師の直接派遣以外の方法として、各校整備の遠隔教育システムを活用した教育支援が可能だが、IT環境整備の学校格差や病児側に相応のIT環境が必要となり、まだ一般的に普及していない。
以上の事から、「長期入院中の生徒への学習支援」事業はまだまだ始まったばかりで、これから制度として熟成していかなければいけない部分が多々あると言える。
行政による教育支援は、枠組みや制度・決まりごとに縛られて動きが重たい感じがする。
県の予算ありきで支援をしていこうとなると余計に重たくなる。
学習支援は、行政から資金援助を受けながら民間団体や法人が主体となり、学生ボランティアや塾講師・リタイアした元教師などを活用し方が、融通が利いて制度としてもうまく回ってくのではないか、思った。
その一翼をこどもホスピスが担っていけるのではないか?
小中学生が対象:長野県教育委員会義務教育課より「長期入院児童生徒訪問支援事業」が実施されている。
○信州大学附属病院や県立こども病院には、院内学級コーディネーターが配置されている中で院内学級が充実している。
訪問による学習支援は以下の様に制度としてはっきりしていて分かりやすい。
○病院や自宅に先生が訪問して学習支援をす
○訪問の先生は教職員経験者で県下で238人が登録している(令和2年4月現在)
それと、なんといっても良いなあと思うのが
○訪問の時間は授業時間にカウントされ出席扱いになるということ。
⇒小中学生は義務教育だからと言われてしまえばそれまでだが、
高校生に対する支援が十分ではない現状が浮き彫りとなった。
次回は②病児のきょうだい支援について取り上げてさせていただきます。
今回は 安曇野市「笑顔の花 マザーハウス」と同じ地域にお住まいの寺沢こうき県議とミーティングでした。
寺沢さんご自身4人のお子さまの父親で、以前より子育てや教育、障がい福祉などの分野に取り組まれていら経験もあることから
本プロジェクトに高く関心を持ち、積極的に取り組くみと熱意に心から感謝しております。
阿部知事への意見・質問等でホスピスのことを議会に取り上げていただけるとのことです。
小児医療に関わる課題は長野県だけでなく、全国的なテーマであるので、発信を通じて皆様とシェアしより良い方向へ解決できますよう、皆様からの気づきのコメントなどメッセージいただけたら幸いです。
皆様と情報を共有できることに心から感謝申し上げます。ディスカッションして行きましょう。